Firefoxではアプリケーションが配備されているフォルダとは別に、プロファイルと呼ばれる各ユーザーの個人設定が生成されます。
この為、普通にアプリケーションの設定を変更したり、about:configで設定を行なっても、設定を実施したユーザーの設定しか変更されません。

※2019/10/13 Windows環境については、グループポリシーで管理する為の管理用テンプレートデータ（ADMX）が提供されるようになっているので、そちらを使用すると、本ページのようなファイルの作成や修正は不要になるので、非常に楽。
参考サイトに当該情報へのリンクを追加しておいたので、そちらを参照することをおすすめします。

テキストファイルを準備し、その中にいろいろと設定を記述していきます。

1. override.iniというファイルを生成し、下記の内容を記述します。
   この設定は初回起動時にIEからの設定インポートを行うウィザードの起動を抑止する設定です。

   [XRE]
   EnableProfileMigrator=false

2. local-settings.jsというファイルを生成し、下記の内容を記述します。

   pref("general.config.obscure_value", 0);
   pref("general.config.filename", "mozilla.cfg");

3. mozilla.cfgというファイルを生成します。
   このファイルは、以下のルールに則って記述を行います。

   pref("設定項目名", 設定値);
   lockPref("設定項目名", 設定値);
   clearPref("設定項目名");

4. 作成した各ファイルを所定の位置にコピーします。
   • Windows(32bit)の場合
     • C:\Program Files\Mozilla Firefox\
       • override.ini
       • mozilla.cfg
     • C:\Program Files\Mozilla Firefox\defaults\pref\
       • local-settings.js
   • Windows(64bit)の場合
     • C:\Program Files\Mozilla Firefox (x86)\
       • override.ini
       • mozilla.cfg
     • C:\Program Files\Mozilla Firefox (x86)\defaults\pref\
       • local-settings.js
   • Linux(CentOS6.3_32bit)の場合
     • /usr/lib/firefox
       • override.ini
       • mozilla.cfg
     • /usr/lib/firefox/defaults/preferences
       • local-settings.js
   • Linux(CentOS6.3_64bit)の場合
     • /usr/lib64/firefox
       • override.ini
       • mozilla.cfg
     • /usr/lib64/firefox/defaults/preferences
       • local-settings.js

ファイルを配置したらmozilla.cfgを編集することで様々な設定が可能になります。
書式は下記の通り。

• 設定書式

  pref("設定項目名", 設定値);
  lockPref("設定項目名", 設定値);
  clearPref("設定項目名", 設定値);

設定できる項目は、いわゆるabout:configで指定できる内容であれば、なんでもできるのでは無いかと思います。
設定値については、内容によって下記のように記述の仕方を変えてください。

• 文字列の場合
  URL情報などのように文字列で記述するものは、ダブルクォーテーションで囲んで記述します。

  pref("browser.startup.homepage", "http://kralis.dip.jp/");

• 数値の場合
  タイムアウト時間のように数値で指定するものは、半角数値で記述します。

  pref("network.http.connection-retry-timeout", 250);

• 真偽値の場合
  真偽値の場合は半角英字でtrue、またはfalseと記述します。

  pref("browser.cache.disk.enable", true);

また、pref()を使って記述した設定は、各ユーザーの個人設定として適用されます。
ユーザーが既に別の値を設定している場合、後から別の値を設定した場合は、そちらが優先されます。
lockPref()を使って記述した設定は、各ユーザーの設定値を無視し、設定内容を強制します。
この設定はabout:config上でも「ロックされています」と表示され、ユーザーに変更操作を許可しません。
これら設定をクリアしたい場合はclearPref()を使って設定を記述します。
mozilla.cfgの1行目から設定値を記述するとうまく動作しない事が多々あるようです。何も書く気がなくても、コメント行にしておいた方が良いかと。

Firefox 10 - Set Default Home Page for All Users
FirefoxとThunderbirdの設定項目を集中管理する（2）
Customizing Firefox Using Group Policy (Windows)