====== FSMOを移行する ======
Active Directory環境を運用してしばらく経つと、機器の老朽化やActive DirectoryをホストしているWindows Serverのサポート期間などの問題から、ドメインコントローラをリプレイスする必要が出てくるのだけど、その場合に新しいドメインコントローラにActive Directoryの様々な情報をきれいに渡してあげるのであれば、FSMOの移行もちゃんとやってあげるべきでしょうということで、以下に手順を書きます。\\
===== 現在のFSMOをホストしているドメインコントローラを確認 =====
移行するActive DirectoryのFSMOがどこにあるのかな。ということを確認しておきます。\\
C:\Windows\System32> netdom /query fsmo
スキーマ マスター dc1.hogehoge.local
ドメイン名前付けマスター dc1.hogehoge.local
PDC dc1.hogehoge.local
RID プール マネージャー dc1.hogehoge.local
インフラストラクチャ マスター dc1.hogehoge.local
コマンドは正しく完了しました。
たぶんこんな感じで出てきます。\\
スキーママスター、ドメイン名前付けマスター、PDC、RIDプールマネージャー、インフラストラクチャマスター、それぞれがどこにホストされているかが表示されます。\\
移行するとき、先にドメインから外す方のドメインコントローラが含まれている場合、次の手順でFSMOを移動させます。
===== FSMOの転送先ドメインコントローラに接続 =====
C:\Windows\system32>ntdsutil
ntdsutil: roles
fsmo maintenance: connections
server connections: connect to server dc2.hogehoge.local
dc2.hogehoge.local に結合しています...
ローカルでログオンしているユーザーの資格情報を使って dc2.hogehoge.local に
接続しました。
server connections: quit
fsmo maintenance:
FSMOの移行先のドメインコントローラに接続する為、上記のコマンドを順に実行していきます。\\
''ntdsutil''→''roles''→''connections''→''connect to server サーバー名''→''quit''の順に入力+Enterです。
===== FSMOを転送 =====
前項に続けて各FSMOを転送していきます。
fsmo maintenance: Transfer schema master
fsmo maintenance: Transfer naming master
fsmo maintenance: Transfer infrastructure master
fsmo maintenance: Transfer PDC
fsmo maintenance: Transfer RID master
それぞれのコマンドを入力し、Enterキーを押すと、確認画面のダイアログが表示されるので、「OK」をクリックすれば、FSMOの移行が完了です。\\
===== FSMOの強制転送 =====
FSMOを持っているホストが障害などでアクセスできなくなってしまった場合に、FSMOを正常動作しているドメインコントローラに移動させるには、''Transfer''ではなく''seize''を使う
fsmo maintenance: seize schema master
fsmo maintenance: seize naming master
fsmo maintenance: seize infrastructure master
fsmo maintenance: seize PDC
fsmo maintenance: seize RID master